後藤允良税理士事務所 > 税務に関する記事一覧 > 税理士を変更する際の流れとは?契約解約から新たな税理士との契約までの手順
「相談先・依頼先として契約している税理士を変更したい」「顧問税理士を変えたい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。変更したい旨を伝えにくい、具体的にどのような手順を踏んで変更すれば良いのかわからない、という方も少なくないと思います。
この記事で税理士を変更する流れについて解説していきますので、手順を知りたい方・トラブルなく変更したい方はぜひ参考にしてください。
税理士の変更を検討し始めたなら、まずは現在の税理士と交わした契約書を見直しましょう。
契約書に記載の、解約に関する条項をチェックするのです。ここでのポイントは、「いつまでに解約の申し出をしなければならないのか」ということです。「契約期間満了日の3ヶ月前までに、双方より意思表示がない限り、契約を自動更新する。」といった条項が設けられていることがあるからです。
こうしたケースにおいて、満了日の1ヶ月前に解約の連絡をしても、相手方からその日付での解約は認められないと主張される可能性があります。そのため前もって解約通知の期限は確認しておき、スムーズに解約できないという事態を避けられるようにしましょう。ただ、自動更新期間ではあっても相手方の合意があれば解約はできますし、その時点の合意あるいは契約に基づく違約金の支払いによって解約をすることも可能です。
自動更新等の問題がなかったとしても、すぐに解約の申し入れをするのは避けた方が良いです。新たな依頼先となる税理士を探してからにしましょう。すぐに新しい税理士が見つかるとは限りませんし、引継ぎにも時間がかかります。その間、税務調査を受けたり税務上の問題が生じたりするおそれもあります。
そこで、契約書で解約に関する事項を確認したら、次は税理士探しを始めましょう。
新たに税理士を探す場合以下のポイントを押さえておくと良いです。
新しく依頼する税理士が見つかれば、現在の税理士に対し解約したい旨を伝えましょう。
ただ、その際には角が立たないように注意しましょう。伝え方やその相手方によっては、解約に伴う書類回収が滞るなどの問題が生じ得ます。
そこで円満に解約できるよう、感情的になることなく連絡を取りましょう。
「知人(あるいは親戚)が税理士事務所を開いたから」という理由は解約にあたっての決まり文句として使えますし、角も立ちにくいです。
無事解約へと進めることができれば、引継ぎのためにも、税理士に預けていた書類およびデータを回収しましょう。これが税理士変更における重要なポイントとなります。
トラブルを避けるため、回収に係る連絡も丁寧に行いましょう。
データの回収をスムーズに行うためには、事前に、契約書に回収すべきデータの引渡し方法なども明記しておくと良いです。
なお、回収の申し入れになかなか対応してもらえないときには、税理士会に苦情相談をしましょう。
回収すべき書類・データの具体例を以下に示します。
e-Tax関連の情報の取扱いにも留意しましょう。登録メールアドレスの変更や暗証番号の変更、メッセージボックスの転送設定など、セキュリティ上のリスクが生じないように調整しましょう。
書類等の回収ができていれば引き継ぎもスムーズにできます。新たな契約内容に応じ、税理士から指定を受けた書類等を提出しましょう。
形式上は新たな税理士との「契約日」と「業務開始日」は一致することが多いですが、実際は業務の開始に先立って契約を締結させて引継ぎ等を行う例が多いです。
細かくは各税理士によって段取りが異なりますので、移行時期は密にコミュニケーションを取り問題が生じないようにしましょう。