後藤允良税理士事務所 > 税務に関する記事一覧 > 事業計画書作成で得られる5つのメリット|作成時のポイントも解説
事業を始めるとき、資金調達をするときには、事業計画書を作成します。面倒に感じる方も多いかもしれませんが、経営を成功に導く重要な役割を果たす存在です。
当記事では事業計画書作成のメリットと作成時のポイントを詳しく解説します。メリットを理解することで作成への意欲が高まり、より効果的な計画書を作れるようになるでしょう。
事業計画書は、「企業の将来的な事業展開や経営方針を体系的にまとめた文書」と説明することができます。単なる計画書ではなく、企業の成長戦略を具現化し、関係者とのコミュニケーションツールとしても機能します。
事業計画書に記載する事項として主なものは、次のように整理できます。
こうした項目をわかりやすくまとめることで事業の全体像が明確になり、より実現性の高い計画を立てることができます。また、金融機関や投資家に見せる資料としても活用でき、資金調達の際の重要な判断材料となります。
事業計画書の作成には大きな意味があり、その作業は経営における重要な投資と捉えることができます。なぜなら、作成プロセスを通じて得られる気づきや、完成後にさまざまな場面で活用できるなど、多くのメリットがあるからです。
ここでは事業計画書作成によって得られるメリットを5つに分類して、それぞれ詳しく解説していきます。
事業計画書の作成過程で、企業のビジョンや目標が具体的な形となって見えてきます。漠然としていた構想が数値目標や行動計画として明確化されることで、より実現可能な戦略を立案できるようになるでしょう。
たとえば、「売上を伸ばす」という抽象的な目標のままだと実際のところ何をするのが効果的なのか見えてきません。
これを「○〇ヶ月以内に新規顧客を○○社獲得し、売上を前年比○○%に増加させる」という具体化・数値化された目標に変えることで、必要な施策や投資の優先順位が明確になり、進捗状況の把握と評価もできるようになるでしょう。
事業計画書には市場分析や財務計画など、投資判断に必要な情報もまとめます。そのため緻密に作成された事業計画書があれば、金融機関や投資家からの信頼獲得につながるでしょう。
特に金融機関からすれば「返済能力の有無」が最大の関心事です。融資した資金が回収できそうかどうかに着目しますので、そのような視点を踏まえた事業計画書を作ることで融資もスムーズに進められるようになります。
そのほかにも、投資家向けに作成して出資をしてもらう、補助金や助成金の申し込みのために作成する、など具体的な資金調達方法に合わせた作成を行うとメリットをより大きく享受できるでしょう。
事業計画書は、経営者の思いや会社の方向性を従業員と共有する重要なツールとなります。全社員が同じ目標に向かって進むことができれば組織としての一体感も生まれますし、業務効率の向上にもつながることでしょう。
また、会社の目標や成長戦略が明確になることで、従業員一人ひとりが自分の役割をより深く理解できるようになり、モチベーションの向上にもつながります。
事業計画書の作成過程で、想定されるリスクや課題も見えてきます。これにより、事前に対策を検討し、準備することが可能になります。
たとえば、市場分析を行う中で競合他社の動向や市場の変化を把握し、それに対する対策を事前に立案できます。また、資金繰りの見通しを立てることで、資金ショートなどのリスクも未然に防ぎやすくなります。
競合分析や市場調査を通じて、自社の強みや市場での位置づけが明確になります。
これにより効果的な差別化戦略を立てられるようになり、競争優位性を高めることができるでしょう。
具体的にはSWOT分析などを行い自社の強みと弱みを整理することで、より効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。また、市場における自社のポジションが明確になることで、製品開発や販売戦略もより的確なものとなるでしょう。
事業計画書の効果を最大限に引き出すうえで重要なポイントがあります。
特に①現実的な数値設定、②外部環境の考慮、③定期的な見直し、という3つの要素は計画の実効性を大きく左右するため留意しておきましょう。
重要ポイント | 取り組み例 |
---|---|
現実的な数値設定 | ・直近3年間の実績データを分析するなど、過去の実績を基準に売上予測を行うこと ・費用項目の詳細な洗い出しを行い、固定費と変動費の明確に区分すること ・業界標準や類似企業のベンチマークを参考にして妥当性を評価する など |
外部環境の考慮 | ・日常的に競合他社の情報収集を行い、業界動向の把握や競合他社の動向分析に努める ・顧客ニーズの変化や新技術の導入など市場トレンドを継続的にモニタリングする など |
定期的な見直し | ・実績との差異を分析するため、月次での進捗確認を行う ・原因の特定と対策立案を進め、四半期ごとの数値修正や年度での大幅見直しなど定期的な計画の調整を行う など |
これらのポイントを意識して事業計画書を作成することで、より実現可能性の高い計画となります。
よくある失敗例を理解してそれらの回避を意識すれば、より良い事業計画書が作れるようになります。特に注意したい例を以下にまとめましたので目を通しておきましょう。
以上の点には十分気を付け、現実的な視点を持って作成することを心がけましょう。