後藤允良税理士事務所 > 税務に関する記事一覧 > 確定申告の手続きの流れとは? 手順を4つのステップに分けて解説
初めて確定申告する場合、「どのような手順で行えばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そのような不安を抱える方に向けて、ここで確定申告の手続きの流れを4ステップに分けて解説していきます。
最初のステップとして、確定申告を行うにあたって必要な書類を確認し、用意しましょう。
確定申告を行うすべての人に共通して必要なものが「確定申告書」です。
以前は確定申告書にはAとBの二種類あり、所得の種類によって提出する様式が異なりましたが、令和4年度分の申告から様式Aは廃止され、様式Bのみになりました。
そのため、これまで様式Aを使って申告していた方も令和4年度以降は様式Bを使用して申告しなければいけません。
申告書の用紙は、税務署で入手できる他、国税庁のウェブサイトからダウンロードもできます。
確定申告書を用意したら、次に、「申告する所得を証明できるもの」を用意します。
例えば、給与所得を受けている方であれば源泉徴収票、青色申告であれば青色申告決算書、白色申告であれば収支内訳書がこれに該当します。それぞれご自身の申告内容に合わせて書類を用意します。
さらに、「所得控除の適用を証明できるもの」も必要です。
社会保険料控除であれば「社会保険料控除証明書」、医療費控除であれば「医療費控除の明細書」や医療費の通知書や領収書も手元に揃えておきましょう。
また、必要に応じてその他の書類の用意が必要になるケースもあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
すべての書類を用意できれば、確定申告書に必要事項を記入していきます。
記入にあたっては、税務署のウェブサイトで閲覧できる「確定申告書の作成手引き」を参考にすると良いでしょう。
必要事項を全て記入し、所得金額を算出できたら確定申告書の完成です。
記入が難しい場合や、確実に正確な申告を行いたい場合などは、税理士や会計士などの専門家に依頼することも検討しましょう。
確定申告書が完成したら、記入漏れはないか、添付漏れはないかなど、きちんと確認した上で提出をしましょう。
申告書の提出期限は例年3月15日ですが、異なる可能性もあるため事前に必ず確認してください。
提出方法としては以下の3通りがあります。ご自身に合った方法を選択しましょう。
提出方法の1つに「申告書を税務署の窓口に直接出す」という方法があります。
税務署の開庁日および開庁時間については、平日の8時30分から17時までが基本となっていますが、税務署によって異なる場合や、土曜日や日曜日にも開庁している場合があります。税務署のウェブサイト等で事前に確認することをおすすめします。
なお、確定申告の時期だと税務署は混雑している可能性があるため、時間に余裕を持って行くことが大切です。
「税務署へ申告書を郵送する」という方法もあります。
税務署の窓口へ直接出向く必要がないため、時間や交通費を節約できる点がこの方法の良いところです。税務署まで距離がある方や開庁時間に行けない方にとって便利な方法と言えます。
なお、確定申告書は「信書」に当たるため、「郵便」または「信書便」で送付する必要があります。
ゆうパックやゆうメールなどでは送付できないことに注意してください。送付する際は「簡易書留」や「特定記録郵便」を利用すると、送達状況が把握できて安心です。
最後に「e-Taxを利用して電子申告する」という方法を紹介します。
国税庁のウェブサイトからe-Taxにアクセスすることで、申告書を送信できます。
申告書を印刷したり郵送手続きをしたりする手間を省けるため、手続きがスムーズに進みます。
また、自宅や事業所のどこからでも24時間手続きができるのは利点です。
ただし、e-Taxによって申告を行うは、マイナンバーカードやICカードリーダーが必要になります。この方法で申告を行いたい方は、事前に揃えておかないといけません。
なお、青色申告の場合はe-Taxによる申告をすることで「青色申告特別控除」を最大の65万円適用することができます。
青色申告で65万円控除を受けたいという方は、その他の要件も全てクリアした上でこの方法を選択することをおすすめします。前述した申告書を税務署の窓口へ提出する方法や郵送する方法では65万円控除を受けることができないため注意が必要です。
確定申告によって算出された所得税を納付します。または、還付される金額がある場合には還付金を受け取ります。
納付する税額がある場合には、納付期限までに納付を行います。
所得税の納付期限は、確定申告の提出期限と同様、例年3月15日です。
納付方法としては、税務署や金融機関などの窓口で納付する方法や、ATMやインターネットバンキングを利用する方法、クレジットカードを利用する方法などがあります。
還付される税額がある場合には、申告書の提出から3週間~6週間程度で還付金が振り込まれます。
ただし、申告書の内容に誤りがあった場合などは、6週間以上かかる可能性もあります。
確定申告書の「還付される税金の受取場所」という欄に記入した口座へ振り込まれます。
なお、指定できるのは申告書を提出する本人名義の口座のみであるため、記入する際は注意が必要です。
以上が、一般的な確定申告の手続きの流れです。申告する内容によっては手続きが複雑になるケースもあるため、詳細は税務署や税理士に相談すると良いです。
また、申告が初めての場合は申告書の用意や作成に時間がかかってしまう可能性もあります。時間に余裕をもって取り組みましょう。