後藤允良税理士事務所 > 税務に関する記事一覧 > 税務調査とは?調査対象の選定から当日の流れまで解説
税務調査は、税務署が事業者の申告内容を確認するために行う調査です。突然の通知に戸惑うかと思いますが、適切に準備して対応をすればスムーズに調査を終えることができます。
そのために大事なことを当記事では解説し、税務調査の流れから準備すべきことまで、事業者の方が知っておきたい情報をまとめていきます。
税務調査とは「税務署が納税者の申告内容が正しいかどうかを確認するために行う調査」のことです。
調査の目的は「適正・公平な課税の実現」にあり、法人税や消費税、所得税などについて帳簿書類や伝票類を確認。適正な納税が行われているかを確認します。
税務署による調査には、大きく分けて①任意調査と②強制調査の2種類があります。
多くの場合は①により実施され、比較的簡易な書面調査で済むこともあれば、実際に事業者にやってきて行う「実地調査」が行われることもあります。
一方の②は「犯則調査」とも呼ばれ、重大な脱税の疑いがある場合などに実施される特殊な税務調査です。証拠資料の隠匿などを防ぐため事前通知なしに調査が入るのが大きな特徴です。
すべての事業者が毎年税務調査を受けるわけではありません。数年に一度、あるいはそれ以上の期間調査を受けないこともあります。
ではどのような場合に調査の対象となるのでしょうか。主な理由として、以下のようなものを挙げられます。
ただし、これらはあくまでも一般的な例であり、これら以外の理由で調査対象となることもあります。また、定期的な調査の一環として選定されることもあるため、調査対象となった時点ですでに申告ミスや不正についての強い疑いがかけられているとは限りません。
税務調査は通常、事前通知から始まり、実地調査を経て、調査結果の説明を受けて終了となります。それぞれの段階で適切な対応が求められますので、流れを把握しておくことが重要です。
税務調査は原則として事前通知制が採用されています。
税務署から連絡を受け、調査の対象税目や対象期間、調査の概要、必要な書類、調査日時などが伝えられます。基本的には書面で通知されますが、場合によっては電話で連絡を受けることもあります。
通知の日から数日後など、1週間を空けず調査が開始されることは通常ありません。ただ、指定されたのが都合の悪い日なら合理的な理由(決算期や繁忙期と重なる等)を説明して変更を申し出ることは可能です。
調査当日は、最初に調査官による身分証の提示と調査の概要説明が行われます。その後、帳簿書類の確認や現金の実査、在庫の確認などが実施されます。
調査では、「代表者等へのヒアリング」「総勘定元帳、仕訳帳、請求書、領収書などの確認」「現金残高の確認」「在庫や固定資産の確認」などが行われ、1日で終わることもあれば数日間に及ぶこともあります。
調査の結果、申告内容に問題がなければその旨が最後に説明され、調査は終了となります。
一方、修正すべき点が見つかった場合は、調査官から具体的な内容の説明があり、修正申告や更正の請求などの手続きを始めることになります。
なお、調査結果に不服がある場合は不服申し立ての手続きをとることも可能です。
税務調査のために準備すべき書類や資料は多岐にわたります。そのうち一般的なものを下表にまとめます。
準備書類の分類 | 具体的な準備書類の例 |
---|---|
申告書関連 | 法人税申告書 消費税申告書 決算書 |
帳簿 | 総勘定元帳 仕訳帳 現金出納帳 売掛帳、買掛帳 固定資産台帳 |
証憑類 | 領収書 請求書 納品書 注文書 契約書 |
金融関連 | 預金通帳 当座預金照合表 借入金の返済予定表 |
資産関連 | 在庫表 固定資産の購入・売却に関する資料 |
人事関連 | 給与台帳 源泉徴収簿 扶養控除等申告書 退職所得の受給に関する申告書 |
その他 | 登記簿謄本 定款 株主総会議事録 取締役会議事録 旅費精算書 稟議書 各種規程(就業規則など) |
これらの書類は通常、過去3年分を準備する必要があります。
税務調査において重要なのは、調査に対し誠実に対応することです。不正や隠ぺいがないのならそれほど身構える必要はありません。調査がスムーズに進むよう、以下の点に注意して対応しましょう。
調査官に対し威圧的な態度を取るべきではありません。また、過度に緊張する必要もありませんが、以下の点には注意しましょう。
対応に不安がある場合には、税理士に立ち会ってもらうことも可能です。普段から会社の申告を任せている税理士がいるなら適切な受け答えができるようになるでしょう。
調査の結果、申告内容に誤りが見つかり、修正申告を求められることがあります。
このとき、指摘された内容をよく確認して不明な点があるなら説明を求めましょう。金額の算定根拠について十分な説明を受け、何が誤りだったのか、どのように修正することを求めているのか、よく確認しておくべきです。
修正申告に応じるとしても、不明瞭な点が少しでもあるならその場での即答は避け、必要に応じて社内での検討や税理士への相談時間を確保することをお勧めします。指摘内容が複雑であったり金額が大きかったりする場合は特に慎重な判断が必要です。