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税理士の変更はタイミングに注意! トラブルを避けるためのポイントとは

「今契約している税理士の方に不満がある」「何だか相性が合わない」など、様々な理由で税理士を変更したいと思うこともあるでしょう。変更自体は可能なのですが、そのタイミングには注意する必要があります。
この記事では税理士変更を避けるべきタイミングと、変更に際してトラブルが発生しないために押さえておくべきポイントを紹介していきます。

税理士変更を避けるべきタイミング

「決算直前」と「税理士事務所の繁忙期」はできれば税理士変更の申出を避けましょう。
これは税理士側だけの都合ではなく、自社の利益のためでもあります。

それぞれの理由を以下で説明していきます。

決算直前

決算業務は短期的に行うより、日常的に会社の状況をチェックし、関係性が出来上がっている方が適切にこなすことができます。
そのため決算直前に新たな税理士に依頼を申し出ても快く受け入れてくれるとは限りません。また依頼することができても、十分な調査期間が確保できないことから仕事の質に問題が生じるおそれもあります。

よって、緊急で税理士の変更をする必要がないのであれば、決算時期から余裕をもって変更に取り組むようにしましょう。

税理士事務所の繁忙期

決算時期でなくとも、税理士事務所には繁忙期があります。
多くの税理士事務所では、年末調整のある12月頃、確定申告のある2,3月頃、そして会社の決算の関係から4,5月も忙しくなることが多いです。会社の決算時期に関しては確定申告のように一定の時期で揃えられているわけではありませんが、多くは3月決算であるため申告をしなければならない4月から5月頃が忙しくなりやすいのです。

税理士変更に適したタイミング

消去法で考えれば、上に挙げた時期を避けた年明け、夏や秋頃が変更に適したタイミングであると言うことができます。

そのほかに、タイミングに関して言うなれば、法人税の申告を終えた時期を挙げることもできます。

自社における税務が一区切りつくタイミングであり、切り替えがしやすいと考えられます。
なお、法人税の申告は事業年度の終了から2ヶ月以内とされています。よって、仮に3月末決算の会社なら、6月頃が変更に適していると言えます。

トラブルを避けるためのポイント

税理士変更を申し出ることで、変更したいと考えている税理士との間でトラブルが発生することもあります。こうしたトラブルを避けるためにはどのような点に注意すると良いのでしょうか。押さえておくべきポイントを紹介していきます。

余裕ある変更計画

変更に余裕をもって取り組むのが基本です。できるだけ計画的に税理士変更に取り組むべきです。

急に変えようとすると、上でも述べた通り決算業務が適切にできないなど業務に支障をきたすおそれがあります。また、急に新たな依頼先を探しても、すぐに自社に合った税理士が見つかるとは限りません。変更の申し出を先走ってやってしまうと、税理士がいない空白の期間ができてしまうかもしれないのです。

そのため自社にとってベストと思われる時期まで待ち、その間に信頼できる新たな税理士探しに努めましょう。

しかしながら「依頼していた税理士がきちんと仕事をしてくれない」「税理士が不正をはたらいている」など特段の事情がある場合にまで無理にタイミングを待つ必要はありません。ベストタイミングを待つことによるリスクの方が大きいのであれば急であっても変更を進めると良いです。

変更したい税理士との対応

税理士側の非を理由に変更したい場合でも、極力穏便に変更手続を進めるべきです。
変更を申し出る際の態度によって相手方との関係性が悪化するおそれがあります。「これからは繋がりを持たないからいいや」などと考えるべきではありません。
解約後であっても、当該税理士が担当していた時期に関する税務調査が入ると、再びその税理士とのやり取りが生まれることもあります。

また、未だ相手方が管理している書類がある場合には要注意です。
万が一書類を回収し切れないといった事態が起こると、会社に損害が生じる可能性もあります。
このようなときには税理士会に相談して対応してもらうことも可能ですが、できるだけ無用な揉め事は避けるよう行動すべきです。

新たな税理士との対応

変更したい税理士との対応だけでなく、新たな税理士とのやり取りもポイントになってきます。

これまでの税務の引き継ぎが必要で、これをスムーズにするには、税務に関する書類を整理しておきすぐに引き渡すことができる状態にしておくことが大切です。
また、依頼したい内容もまとめておきましょう。どのような業務をどの程度頼むのか、決算書類の作成や申告作業だけで良いのか、それとも日常的に節税対策や資金繰りに関することなどのサポートも受けたいのか、その税理士にして欲しいことを伝えられるようにしておきます。

この作業を先に行っておくことで、新たな依頼先の選定もしやすくなります。
自社が求めていることと、依頼先が強みとしていることが合致しているのがベストです。ホームページなどを確認し、これまでの実績等をチェック。自社のニーズを満たしてくれそうかどうかを判断します。
さらに、実際に対面で話をしてみて相性が合うかどうかの確認もしておくことが大事です。